【ウェブ花見】奈良のローカル桜を愛でる

内山永久寺本堂池の桜
ミチコ

こんにちわ!ミチコです。

例年よりかなり早かった桜の開花宣言。「今年は桜が早い、早い」と言っている間にあちこちで満開の便りが聞こえるようになりました。

でもコロナ禍の今、密を避けながらのお花見はむずかしいものです。2度目の緊急事態宣言は解除されたものの、警戒を解くわけにはいきません。人出の多そうな桜の人気スポットはやはり行けそうにありません。インターネットに上がる桜の写真を眺めるのが今年のお花見になりそうです。

今日は奈良県のローカルな桜の風景を紹介します。有名なところもあるし、本当にローカルな地元の桜もあります。今年も咲いてくれてありがとう、そんな思いを込めて。

金屋河川敷公園の桜並木と仏教伝来の碑

先日紹介した「山の辺の道」にある桜スポットをいくつか紹介します。

山の辺の道・桧原神社への道

春まだ浅い山の辺の道を歩く

トップは桜井市、大和川沿いの金屋(かなや)河川敷公園です。

金谷河川敷公園大和川堤防の桜並木
桜のアーチの下を歩けます。

桜並木の後ろの山は「三輪山」です。大和川の川幅も広く、パノラマ風景が楽しめます。

仏教伝来の碑と桜
中央の黒い石碑は「仏教伝来之地」碑。

桜に囲まれた「仏教伝来之碑」。山の辺の道に続く脇道がすぐ近くにあります。

DATA: 奈良県桜井市金屋 JR桜井 近鉄桜井

桜で埋めつくされる大美和の杜展望台

大美和の杜

大神神社(おおみわじんじゃ)のすぐ近くにある「大美和の杜展望台(おおみわのもりてんぼうだい)」は奈良盆地を見渡せる絶景スポット。こんもりとした高台を埋め尽くすように桜が植えられていて見事です。

大美和の杜展望台の枝垂れ桜
枝垂れ桜が斜面一面をおおいます。
雪崩のように降りかかる桜の枝。

枝垂れ桜の枝が揺れて、ピンク色の雨が自分にふりかかってくるような、幻想的な雰囲気です。

DATA: 大神神社 奈良県桜井市三輪1422 JR桜井線「三輪」

景行天皇陵近くの眺望スポット

「山の辺の道」途中にある見晴らしのよい休憩スポットです。写真左の道は「龍王山」登山口に続きます。すぐ近くに「景行天皇陵」があります。

眺め良き展望台
眺め良き展望台。

DATA: 奈良県天理市渋谷町 山の辺の道 景行天皇陵

長岳寺と天理トレイルセンター

天理市トレイルセンターの枝垂れ桜

「山の辺の道」の中間地点にある天理市トレイルセンター。梅、桜、ツツジ、と季節の花でハイカーを楽しませてくれます。テーブルと椅子があるので、戸外でゆっくりお弁当を広げることができます。

ただランチ時は混むので、少し時間をずらしたほうがよさそうですね。

枝垂れ桜の下のテーブルで花を愛でながら休憩。

花の寺・長岳寺

トレイルセンターのすぐ裏手に長岳寺があります。桜もきれいですが、ここは平戸ツツジが有名で、4月下旬から見頃をむかえます。

長岳寺
花の寺・長岳寺。
ミチコ

高さ2メートルもあるツツジの並木道があって圧巻。

DATA: 長岳寺(奈良県天理市柳本町508)天理市トレイルセンター(柳本町577-1)JR柳本

天理市・天理大学前広場の桜パラダイス

「山の辺の道」を天理から南下したときの桜風景をいくつかご紹介します。

JR天理駅からゆっくり歩いて30分。天理大学付属天理参考館前の広場の桜です。白、ピンク、枝垂れ、ソメイヨシノ、入り乱れて咲いております。桜パラダイスです。

天理大学前の桜
桜まみれな風景

DATA: 奈良県天理市守目堂町

石上神宮への道

天理大学前の桜パラダイスから歩いて10分ほど。県道51号沿いの桜並木です。小さな峠を超えるような感じで、坂道沿いに桜が植えられています。

県道51号沿い
坂道沿いに桜並木が続きます。

写真左手奥の木々は「石上神宮(いそのかみじんぐう)外苑公園」の森です。

この坂を下ると左手に「ル・レーヴ」というフレンチレストランがあります。古民家を洋風に改装した素敵なレストランで、カジュアルなランチは1500円くらいから。モーニングも朝8時から営業しています。「友達を連れていきたいお店」トップ3に入りますね。

DATA: 奈良県天理市布留(ふる)町

至高の桜・内山永久寺跡

石上神宮から「山の辺の道」を行くと、15分ほどで国道25号線(名阪国道)の高架が見えてきます。

桜が見えてきました!期待が高まります。

高架をくぐると、ほどなく内山永久寺跡です。

内山永久寺跡芭蕉の句碑
芭蕉の句碑「うちやまや とざましらずの はなざかり」。

この句碑の背後にかつての内山永久寺の本堂池があり、その池をめぐるように桜が植えられています。普段は緑の多いところだな、くらいしか思わないのに、桜の時期は風景が一変。華やかです。

内山永久寺本堂池
池をめぐる散歩道。
内山永久寺本堂池
水面に映る桜。空の青と桜と緑。
水面に映る桜
琳派の絵のよう。
花筏
「花筏」というのをここで初めて見ました。

朝、早い時間ならハイカーもおらず、ゆっくりと散歩できそうです。わたしが行ったときにはカメラマンがおひとりだけでした。

至高の桜風景にどっぷりつかれました。

DATA: 奈良県天理市杣之内(そまのうち)町

御所市・葛城古道の桜

ここからは奈良県北西部、葛城山沿いの「葛城古道」の桜を2つ紹介します。葛城古道はきれいに整備された歩きやすいハイキングゴースです。秋のコスモス、彼岸花が人気ですが、桜も見事です。

九品寺のエイリアン桜

九品寺山門と桜
九品寺の山門と桜。

山門が小さい九品寺はその分開放的な印象です。塀に囲まれていないので、山門から境内を見渡せます。桜を背景にこんな写真が取れるのも九品寺ならでは。

九品寺の桜
たこエイリアンのような枝ぶりの桜。

四方八方に広がった枝が頭上をおおい、桜の花びらがふりそそぐ…。幻想的なシーンを味わえました。

DATA: 奈良県御所市楢原(ならばら)1188 近鉄御所 JR御所 コミュニティバス「楢原」

高天寺橋本院

高天原(たかまはら)を東に下ったところにある橋本院。

橋本院

橋本院には「瞑想の庭」があります。四季のさまざまな草花、花木が植えられ、散策できるようになっています。

橋本院
左奥は葛城山。手前のわっさーとした花々は「ミツマタ」かな。

DATA: 奈良県御所市高天350

大和高田市・高田千本桜

奈良県大和高田市を流れる高田川。その川沿いに樹齢70年を超える桜の並木が2キロ以上続きます。

大中公園周辺の桜並木

毎年3月下旬から4月上旬にかけて「高田さくらまつり」が実施され、県内だけでなく県外からも多くの花見客が訪れるイベントになっています。

が、コロナ禍で昨年・今年、と2年続きで桜まつりは中止、夜桜見物のぼんぼりも、露店も出ていません。それでも桜は元気に咲いていました。

大中公園
格好の撮影スポット。桜をすぐ間近に見られます。

大中公園にはベンチもあるので、お弁当を食べたり、小さな花見をしている人がちらほら。コロナ禍ですが、密にならないよう人との距離を保ち、予防に最大の注意を払いながら、静かに桜を楽しんでいる感じでした。

桜とはしご車
はしご車と桜。

高田川沿いの県道132号線(河合大和高田線)は桜の季節には「桜渋滞」が起こります。川沿いの桜を見ながらノロノロ運転が続きます。

川沿いの遊歩道も人はまばらでした。

露店も出ていないので、静かに歩きながら写真を撮っている人がほとんど。

夕刻の大中公園
コロナ禍・静かな夕暮れの桜並木。

今年は桜の開花も早かったので、3月末には花びらの絨毯ができていました。

「撮り鉄」におすすめ・高田川の桜ポイント

桜と近鉄電車
撮り鉄必見。

並木の南端には近鉄南大阪線の小さな鉄橋があり、桜を背景に近鉄電車を間近に撮影できるので人気のスポットです。

特に豪華特急列車「青の交響曲(シンフォニー)」が走る時刻は狙い目ですね。大阪阿倍野と吉野を1日2往復。シャッターチャンスは4回!桜の季節の限定です。

まだ間に合う遅咲きの桜スポット

奈良県南部の山間区域では桜も少し遅いので、平地の桜に間に合わなくてもまだ大丈夫。

特にヤマザクラが有名な「吉野山」。下千本・中千本・上千本そして奥千本。山裾から山上へと咲いていきます。奥千本はまだ咲き始めとのこと。チャンスありです。

奈良県東部の高地でもやや桜が遅いです。

談山神社
談山神社(たんざんじんじゃ)。

談山神社は秋の紅葉が有名ですが、桜も見事です。高度が500メートルくらいなので、平地よりちょっと遅いようです。

いにしへの奈良の都の八重桜

「ソメイヨシノにはもう間に合いそうにない」という方にはまだ「八重桜」がありますよ。

馬冷池公園の八重桜
「桜餅」がたわわに実っている?!

この八重桜は昨年4月下旬に撮影したものです。場所は奈良県大和高田市の「馬冷池公園」。市の多目的ホール「さざんかホール」のまわりが公園になっていて、いろいろな桜が育てられています。

馬冷池公園の八重桜

このみっしりとした量感がすごいですよね。残念というか、よかったというか、花見客はまったくおらず、独り占め状態でした。地元の方にとっては当たり前過ぎる光景なのかな。

DATA: さざんかホール 奈良県大和高田市本郷町6-3

最後に紹介するのが天理市トレイルセンターの八重桜。というか八重桜の散ったあとです。桜は散るときもまた美しいですね。

トレイルセンターの八重桜
2019年4月28日撮影。天理市トレイルセンターの八重桜。

この写真を撮ったのは4月28日。その前々日、26日に春の嵐が来ていて、一気に花を散らしたようなんです。

普通は風で花びらが飛ばされると思うのですが、雨のせいで花ごと落ちた感じです。これを見たときには「うわー」と言ったきり言葉が出ませんでした。きれいでしたね。

今年は桜が早いので、4月中頃にはこんな景色が見られるかな、と期待しています。

今日は奈良県の(地味めの)桜ポイントをいくつか紹介しました。地元の方にとっては大事な桜を「地味」と言ってはお叱りを受けるかもしれません。

派手でも地味でも、自分なりのとっておきの桜を見つけられたら、毎年の楽しみが1つ増えますね。

「また今年も咲いてくれた」「この花が咲いてくれてうれしい」。コロナ禍で世の中が激変している今だからこそ、変わらず咲いてくれた花にホッとします。

機会があったらぜひ訪れてみてください。